蘇州は上海からほぼ西へ約80キロの上海と南京の中間に位置し東洋のヴェニスと表現されるほど市内に水路が発達す風景の美しい街。北側に上海蟹の産地と知られる淡水湖の陽澄湖〔Yang2 Chen2 Hu2〕があり、西には太湖〔Tai4 Hu2〕が控える。呉の都の時代から続く古い街で世界遺産に指定された庭園も数多く存在し拙政園・留園・獅子林・滄浪亭・網師園などがある。さらには寒山寺、虎丘なども観光ポイントとして有名。
蘇州市に残っている庭園のほとんどが、古代中国の個人庭園であり、限られた「庭」というスペースの中に、山水や田園を表現し、田舎の風景を楽しめるよう配置されている。これは都市の生活者が、自然を恋う気持ちから生まれたのだという。世界文化遺産にも数えられる「拙政園」「留園」「獅子林」「滄浪亭」の4つが四大庭園として有名。
蘇州で最も大きい古典庭園。北京の頤和園、承徳の避暑山荘、蘇州の留園と並ぶ中国四大名園のうちの一つ。
嘉靖年間1522~1566年に御史(役人の弾劾をつかさどる役職)の王献臣が、官職を追われ蘇州に隠居した際造ったもの。「拙政園」の名前は、「潘岳」の書いた『閑居賦』のなかの「拙者、政するは悠々自適、閑居を楽しむことなり」という部分からとったといわれている。庭園内は、東部・中部・西部の3部分から構成されており、水景がほとんどを占める。お勧めは、中部にある「遠香堂」から眺める風景。この建物からは、南の峰、北の蓮の花、西の梅の全てを見ることができる。休憩所では望めば本場蘇州の評弾が聴ける。
すぐ隣には蘇州の古い文物が陳列される「蘇州博物館」がある。
「留園」は、「拙政園」と並ぶ蘇州の名園として名をはせ、蘇州四大庭園にも数えられている。明の嘉靖年間(1522~1566)に築かれたのもで清代に改築され留園と呼ばれるようになった。東、中、西、北部に構成されており東部は建築を中心に、中部は山水、西部は山林、北部は田園というように様々な風景が表現されている。
庭園はもとより建物の構造が極めて精巧で、回廊を飾る窓は一つ一つが全く違うデザインになっており一見に値する。
蘇州四大名園の一つで元代の高僧により築造された禅式の庭園。園内は太湖から取った太湖石がふんだんに用いられており迷路のような洞窟を築き上げている。清代の康煕帝、乾隆帝が数回に渡りここを訪れており、避暑山荘にこの獅子林と同じ太湖石の山を造らせたことから世に知られるようになった。
蘇州で最も古い庭園であり蘇州四大名園の一つ。五代(907~960年)に築かれ北宋(960年~1126年)の時代には詩人蘇瞬欽が住んでいたという。周囲の川と古い樹木や竹、装飾が施された建物の窓などが他の庭園と比べた特徴となっている。
OPEN:3月1日~11月15日は7:30~17:30、11月16日~2月末は7:30~17:00
FEE:4月16日~10月30日は20元、10月31日~4月15日は15元
TEL:(0512)65194375
18世紀、清乾隆帝の時代に宋宗元らによって改築された庭園。東に住居、西に庭園があり中央の池を建物が取り囲んでいる。各建物を結ぶ回廊からはゆっくりと景観を楽しむことができる。春から秋にかけて毎晩古典夜宴が開かれており、池の周囲の各建物を回りながら蘇州地方の昆劇、蘇劇、音楽などを鑑賞することができる。
○鉄道 蘇州は上海から約80Km離れているが、2010年7月に滬寧城際高速鉄道が、2011年6月に京滬高速鉄道が開通し最速列車ならば上海からたった30分ほどで着くことができるようになり、上海からの日帰り観光も楽々になった。どちらの高速鉄道も所要時間あまり変わらないが、滬寧城際高速鉄道は市内に近い蘇州駅に到着するものの、北京まで通じる京滬高鉄は蘇州北駅となり市内から比較的遠いので南京以北の北京方面からでなければ滬寧城際鉄道を利用したい。 滬寧城際高速鉄道
○バス 高速鉄道は開通したが足回りの良いバス便は健在で、バスは蘇州北或いは蘇州南ターミナルのいずれかへ到着する。上海からの所要時間は1時間半程度。 ( 上海のバスターミナル情報)
○空港 蘇州市に空港はなく上海虹橋空港、或いは無錫蘇南国際空港が最寄となるが国際線となると一部路線を除き上海浦東空港からとなる。いずれからもリムジンバスが運行されている。上海浦東空港までは所要3時間ほどで運賃は84元。
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