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上海の中国茶文化についてのクチコミ情報

中国茶文化


現在日本では中国茶が大変なブームである。東京をはじめ全国に数多くの中国茶葉を扱うショップや喫茶店が出現している。そしてここ上海でも中国茶が再び見直され人気が出ている。中国に住むからには是非本場の中国茶の世界を覗いてみよう。上海にある数ケ所ある茶卸市場(天山茶城・九星茶葉市場など)では、日本では考えられないほど安く茶や茶道具が手に入るのが嬉しい。また市内には日本語で学べる中国茶道教室もあり気軽に学べる。ぜひ中国茶を通して中国文化に触れてみよう。

中国茶の起源

世界の茶の起源は中国にある。

中国茶は、最初は薬として用いられた。古代文書「神農本草」によると、中国茶の始まりは紀元前2,700年以上前に遡る。神農氏と呼ばれる伝説上の人物は水晶の腹をもち、外から腹の中の様子が見えた。人々は彼の腹を見ることで彼が食べたものが良いものかどうかを知ることができた。神農氏はある日、100もの草を食べ、72種の中毒にかかったが、偶然食べた木の葉で救われた。白い花の咲いた木の葉を食べると腹の中でぐるぐる動きながら汚れを洗い流している様子が見えたのだ。それが茶葉の発見である。

現在の中国でもこの茶の解毒作用を生かして作られた洗顔料など化粧品が売り出されたり、オイルに茶の成分を使用するのを売りにしているエステサロンなども登場している。

茶を飲料として楽しむ茶文化は、唐の時代に始まり宋の時代から盛んになった。800年頃唐代の陸羽という人物が「茶経」を著した。茶樹、製茶器具、製茶方法等が記された茶経は、その後1,200年経つ現在でも中国茶のバイブルとして尊ばれている。

■■中国人にとって茶とは

中国では、「生活必需品は、柴・米・油・塩・醤油・酢・茶の七つである」と言われ、茶は中国人にとって重要な位置をしめている。茶を以って健康な体を作り、茶を以って精神を統一し、茶を以って客をもてなし友人と交流し、茶を以って先祖を敬う。

また、国境付近の内陸地の少数民族は牛・羊肉を常食し、気候等の影響で野菜や果物等の摂取量が不足している。そのため、茶を飲む事によりその脂肪を分解し消化を助け、茶の中に含まれる豊富なビタミンにより、ビタミン不足によって引き起こされる病気を予防している。彼らにとって茶は「一日も欠かす事のできないもの」といわれるほど貴重なものである。

■■日本と中国茶

日本茶道の基本精神が『(人間関係について)和・敬・(環境について)清・寂』であるのに対し、中国茶道の基本精神は、『和・静・怡(楽しい)・真(本物を追求する)』。中国茶道は仏教・儒教・道教の三精神の影響を深く受けている。

中国茶が初めて日本に持ち込まれたのは、平安時代。804年に当時の中国に遣唐使として渡った日本の僧が中国大陸に渡り翌年帰国と共に茶を持ち帰り、現在の滋賀県に植えたのが始まりと言われている。その後、遣唐使の廃止と共にやがて衰退する。次のブームは、僧の『栄西』が中国宋に2度わたり1191年帰国した後におこった。彼は九州で茶を栽培し将軍源実朝に茶を献上して病を癒したと言われている。以後薬効が喧伝され仙薬として上流階級で広まる。また彼は『喫茶養生記』をあらわし喫茶の風習を日本に広めた。

そして800年もの時を越え現在の本格的な中国茶ブーム。中国茶芸が習えるサロンなども増えつつある。これは一過性のブームではなく、中華料理のようにしっかりと日本に根づきそうな予感だ。


豊富な種類の中国茶

中国大陸は広い、そして中国茶の種類も豊富だ。発酵度別に、緑茶(不発酵)・青茶(半発酵)・紅茶(全発酵)・黄茶(微発酵)・白茶(微発酵)・黒茶(後発酵)の6大茶類+加工茶(花茶など)に分類することができる。昔から上海では杭州のロンジン茶・蘇州の碧螺春・安徽省の黄山毛峰などの緑茶が好まれていたが、ここ数年、青茶(別称:ウーロン茶)も大変人気。

■今上海で一番注目のお茶

いつの時代もお金が集まる場所に良いお茶はやってくる。緑茶が主流だった上海人もウーロン茶、そして次は黒茶の代表である、『プーアール茶』に関心が集まっている。プーアール茶はもともと雲南省のお茶である。流行大好きの上海人にとって、めずらしいもの新しいものは大変興味がある。また昨今の不動産バブルで得た余剰資金がアートや骨董に流れ、果てには値上がりを見込んでかお茶の中でも骨董価値が見込まれるプーアール茶にも注目が集まっている。

 

■雲南プーアール茶とは

産地は主に雲南省、分類は黒茶で後発酵のお茶。

もともとプーアール茶の原料は『晒青緑茶』であるが、流通が不便だった頃、馬に乗せてお茶を運んでいるうちに道中で風雨にさらされたり、南国のギラギラした太陽にあたり乾かされたり乾いては濡れる繰り返しで変質し到着した頃には赤く酸化して自然に後発酵となっていたのがプーアール茶。

プーアール茶は、消化を助ける、脂っこいものを食べたときに油を流す・血圧やコレステロール値を下げる、またダイエットの作用もあるといわれ、現在豊かになり肥満や成人病など新たな問題を抱えている上海人の健康志向にもあう。プーアール茶は、茶葉がバラバラの「散茶」と運びやすく固めた「緊圧茶」などがある。また、この茶は流通が不便だった時代には、遊牧の少数民族の貴重なビタミン補給源であった。

製造方法の違いからは、『生茶』と『熟茶』に分類することができる。生茶は緑茶を蒸して固め自然に発酵させたもので、美味しく飲むまでに長い年月がかかる。熟茶は安く大量にプーアール茶を作るために1973年頃に考えられた方法で、握堆(あくたい)という人工的に発酵させ、比較的早い時期から飲むことができる。

●プーアール茶は『骨董茶』

プーアール茶は『骨董茶』ともいわれる。ワインと同じで上質のものは年代が経てば経つほど味がまろやかになり美味しいといわれている。またビンテージものとしての価値も出てくる。時間が経つとタンニンンが減少して胃に優しくなるといわれている。

●よいプーアール茶

骨董の価値のあるものは高く売れるため、年代を偽ったものが氾濫している。プーアール茶の湯は黒と思われがちだが、質の良いお茶を淹れた色はブランデイーのような少し赤みがかった色。良いものは『陳香』という特有の香りがあり、カビ臭い香りはしない。味は芳醇で甘みがある。

●淹れ方の注意

2次加工時に長い時間をかけたプーアール茶は殺菌消毒の為、『洗茶』といって1煎目のお茶は湯通しして捨てる事。

●家庭で養茶・記念日に品茶

プーアール茶は直射日光が当たらず、風通しがよく、乾燥している場所にて保存する。本棚の上など高い位置が好ましい。また置きっぱなしにせずこまめに場所を変えると尚良い。プーアール茶の最後のエッセンスは年月。固まった緊圧茶は一度に飲まずに、お誕生日や家族の記念日、または清明節など毎年日を決めて、ひとかけらずつ品茶し毎年熟成する味と香りの変化を楽しむのがお勧め。

 

■上海で根強い人気のウーロン茶

青茶(別称:ウーロン茶)は産地別に4つに分けることがでる。またそれぞれ地方の特色ある淹れ方でお茶を楽しむ。

①●(門がまえに心)北ウーロン茶

代表的な茶葉は大紅袍(Da Hong Pao)(青茶)福建省北部の世界遺産・武夷山が産地。岩と岩の間に茶樹が植えられ岩茶とも呼ばれている。『大紅袍』は味・香り・のど越し共に、まさに茶の王の風格を漂わせる。また岩韻と言われる高く澄んだ残香がある。

その他:鉄羅漢・水金亀・白鶏冠肉桂・千里香・水仙・半天腰・梅占・仏手・金毛猴・小紅袍・武夷奇蘭

②●(門がまえに心)南ウーロン茶

代表的な茶葉は鉄観音( Tie Guan Yin)

蘭の甘い香り蜜の甘い香りが特徴。春に収穫する春茶は特に香り良く、冬茶は特に味が良いと言われ喉越しも大変良い。茶葉は香りを閉じ込めているかのように、ギュッと丸まった形をしている。「七泡有余香」と言われ7煎淹れてもまだ香りがあり、鉄観音の王様『観音王』は10煎淹れても味香りが楽しめる。

その他:黄金桂 本山 毛蟹 白芽奇蘭

③広東ウーロン茶

代表的な茶葉は鳳凰単叢(FengFuangDanCong)フルーテイな香りで若い女性に人気。茶海(ChaHai淹れた茶の濃度を均一にする道具。)を使わず蓋碗(GaiWanフタの付いた茶碗。フタをずらして急須としても使用できる。)から直接飲杯(YinBei茶を飲む小さな杯のような湯のみ)に注ぎ分ける『潮汕スタイル』のお手前でお茶を淹れるのが特徴。

◎関公巡城/Guan Gong Xun Cheng 茶の濃度が均一になるように数回にわけ蓋碗から丁寧に同じようにそそぎわける方法。

◎韓信点兵/Han Xin Dian Bing 最後の数滴の茶は一番濃厚で美味しい部分であるから各飲杯に1滴ずつ入れる。  

その他:蜜蘭香単叢・黄枝香単叢・桂花香単叢・白葉単叢

④台湾ウーロン茶

特に有名な茶葉は凍頂烏龍茶(Dong Ding Wu long Cha)(青茶) 台湾の南投県鹿谷郷が産地の高級ウーロン茶。茶葉は蒼蒼しくギュと丸まった形をしている。

その他:阿里山・翠玉・四季春・金萓・文山包種茶木柵鉄観音(台湾ウーロンの中では発酵度が高い)

東方美人(紅茶に近い特色あるウーロン茶)


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