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中薬

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中国伝統医学で使う薬のことを、一般に「中薬」と呼ぶ。日本人からすれば「漢方薬」といったほうが分かりやすいが、厳密には区別される。生薬の本場中国だけあって、実に様々な中薬が販売されている。しかし中国でも様々な健康食品の広告が氾濫し、実は一般の中国人も最近ではあまり中薬の実情はわかっていない。もちろん良いものも沢山あるが、結局は医薬品に相当するもが多いので、やはり購入する場合は中国現地で中国医学のライセンスを持っている病院の医師と相談するのが望ましい。また新薬に比べると、中薬のほうが副作用は圧倒的に少ないが、それでもゼロというわけではない。たとえば、アレルギー体質がある人、腎臓や肝臓に障害がある場合などは特に注意が必要。

中成薬と煎じ薬

中薬を大きくそのタイプで分類すると中成薬と煎じ薬に分類される。中成薬は錠剤やカプセルになっているもので、服用は容易。しかし中身の成分がはっきりと示されていない場合が多い。また中成薬では効果を高めるため、よく新薬が混ぜられることがあり表示成分が疑わしいことが多い。特に糖尿病に効く、高血圧に効く、などとうたった中成薬で、含有されていた西洋医学の成分により副作用問題が発生したケースが報告されている。以前、日本で話題になった中国製ダイエット関係の副作用問題もこの類に属する。しかし、実際に昔から使われている伝統的な純正の中薬だけによる中成薬も少なくない。たとえば風邪薬などでよく市民の間で使われる有名な中成薬も多い。また軟膏などの外用薬の中薬もあり、これら中薬を有効に使うことができれば、非常に便利だ。 

一方で、煎じ薬は基本的に医師により数種類の生薬を組合して煎じるもので、生薬の中身がはっきりしている分だけ安心。普通は医師が患者を診て、その患者の体質にあった処方を組む。いってみれば、世界に一つだけしかない自分だけの処方が組まれるわけだ。また煎じ薬は同じ処方を長期間服用することはない。普通は2週間から3週間に1回は医者の診断を受けて、処方を変更してもらう。体調は日によって変化するためで、同じ処方を飲み続けるのは望ましくない。また中薬専門の大きな薬局では、医師が診察している場合もある。そんなときは、まず診察してもらってから、処方をしてもらうとよい。

一般的に煎じ薬のほうが中成薬より効果があると言われている。薬局によっては生薬を煎じるサービスを行っているところもある。ただ煎じ薬は携帯したり、服用したりするのが不便などの理由で、中成薬の方に人気があるのも確か。一方でSARS騒ぎのときは、薬局から生薬が消えるなど、生薬に対しての需要が一気に高まった。それ以後、生薬、とくに煎じ薬を服用したいという患者が増加傾向にある。いずれにしろ、中医薬も生薬を材料にしているとはいえ薬は薬。誤った服用方法をしないように気をつけたい


スーパーでも売られている生薬

「医食同源」とはうまく言ったもので、中国ではスーパーでも料理などに使う生薬なら簡単に手に入る。「薬膳料理」といえば、日本人でもお馴染みだが、べつに専門のレストランにまで行かなくても、中国人は日ごろから生薬などを使った料理を食べている。たとえば、大棗(ナツメ)・枸杞(クコ)・百合・当帰(トウキ)・陳皮(チンピ)・●(草かんむりに意)苡仁(ヨクイニン)・黄耆(オウギ)・山薬(ヤマイモ)・貝母(バイモ)などは普通の中国料理でもお馴染みだ。その他、お茶として売られているものも多い。たとえば菊花・決明子(ハブ茶の一種)などはお茶の専門店でも手に入るが、れっきとした生薬。カラオケなどに行くと、胖大海の飲み物が出てくる。これは声がかれた時などに効果があるとされている生薬だ。日本では滋養強壮として名高いスッポンも大抵のスーパーでは生きたまま売られている。香辛料のコーナーに行くと売っている肉桂(シナモン)、薄荷(ハッカ)なども中薬の部類に入る。これらは日ごろから上海地元の中華料理で出てくるので、よく注意して見たい。


見るだけも楽しい中薬薬局

中国には伝統的な中医薬薬局が数多く残されている。「…堂」と大きな看板が掲げられ、いかにも老舗の薬局の雰囲気を醸し出しているところも少なくない。一般に、1階には中成薬や西洋医薬の薬、2階には中医師によるちょっとした外来施設と生薬を配合する場所が設けられているのが一般的だ。

たとえば「人参」といえば、日本では緑黄色野菜の人参をさすが、中国ではいわゆる滋養強壮などにつかう生薬の「人参」をさす。これら中薬の薬局には立派な赤い箱に人参が陳列されていて、高価なものになると数千元するものもある。その他、日本人にはおなじみの鹿の角や冬虫夏草など高価な生薬が陳列されているが、すべての人が高価な生薬を服用する必要はなく、また高価な生薬ほど薬効が強いものも少なくないため、専門家のアドバイスに従って目的にあったものを選びたい。 

その他、薬膳料理に使う生薬の材料も数多く陳列されている。値段も比較的お手ごろ。

●薬酒

有名な薬局にいくと必ずいろいろな薬酒が展示されていてオリジナルの物も少なくない。酒のなかに生薬をはじめ、動物など様々なものが漬けられている。実は中医学と酒は切っても切れない関係にある。医の字は、繁体字では「醫」と書くが、この「酉」の字はズバリ「酒」から来ているともいわれている。現在、数多くの薬酒が使われているが、基本的に体を補う性質のものが多い。中医学では「補気血」と表記されたりする。また腰痛などに効果があるとされているものも少なくない。服用方法は様々だが、一般に1日1回から3回、空腹時に10-30mlほどの量だ。それぞれの薬酒によって服用法が違うので、確認していただきたい。当然すべての人が薬酒を飲めるわけではない。一般に、慢性腎炎や肝炎、肝硬変、消化器系に潰瘍がある人、高血圧の持病がある人、心臓病がある人、また発熱・嘔吐・下痢などの症状がある人も服用を避けたほうがよいとされている。

●膏方

冬至の時期を中心に、上海地区では膏方の時期に入る。膏方とは、普通の煎じ薬よりもさらに濃く、また甘く味付けされたシロップのようなもので、壷にいれて保管する。普段は冷蔵庫に保管しておき、服用時はお湯に溶かす。冬にしっかりと体を補っておき、夏に備えて体の調子を整えておこうという発想だ。季節の流れと、体調を考慮した中医学ならではの養生法とも言える。こちらも医師が患者の各々の状態にあった処方箋で膏方を処方してくれる。特に喘息やアトピー、胃腸病、腎臓病など慢性疾患のある患者は、市内各地の中医病院の各科で専門の医師に診察してもらって、膏方を処方する。有名な医師になると、処方をもらうためにも予約が必要なぐらいで、市民に絶大な人気がある。生薬から膏方にして壷に詰めるまでの加工は、中医薬局がやってくれる。



市内の有名な中薬医薬局

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