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第4回 快適な空の旅を楽しむために

 フィジオセラピスト・クリスアルドレッドが長距離フライトのストレスを解消させる方法を紹介します。


 外国に暮らすビジネスマンにとって、飛行機に乗るチャンスは多いといえるでしょう。出張で海外へ、家族に会いに日本へ、休暇を過ごしに南国のリゾートへなど、2時間以上のフライトも少なくありません。一時的とはいえ、限られたスペース内の狭いシートに押し込められていれば、身体にはなんらかの変化が起こっています。「頻繁なロングフライトは身体に大きな打撃を与える」、上海~シカゴ間の15時間に及ぶフライトを月に2回繰り返しているビジネスマンなら誰しも納得する事実でしょう。しかしながら私たち国際的企業戦士は颯爽と飛行機に乗り込み、そして心身ともに疲れ果て、時には負傷した体で目的地に到着するこの過酷な試練をライフスタイルの一環として受け入れているのが実情です。時差ボケなどの避けられない問題もいくつかありますが、少しでも快適な飛行時間を過ごすためのヒントをここで紹介しましょう。


重量オーバーの荷物に注意!
 旅行の際に起こるケガの原因の中で見落としがちなのが実は重い荷物です。間違った方法でかばんを持ち上げてケガをする、もしくはもともと痛みのあった腰・膝・肘などをさらに痛めるということがよく起こります。急いでいるときに重量オーバーぎりぎりのスーツケースをチェックインカウンターへ、またはターンテーブルから、勢いよく持ち上げる、など思い当たることはありませんか?二日後に腰の痛みを感じ、そのとき初めてその痛みの原因があのスーツケースだったと気づくこともあるはずです。残念ながら私たちの身体は25歳を境に腰痛を患うリスクが高くなってきます。腰椎の老化、腹筋の弱さが主な原因です。このような年齢に伴う身体の変化は、身体をねじって重いものを持ち上げるなどの無理な動きから簡単に急性痛を引き起こすようになります。

 注意するべきは大きなスーツケースだけではありません。特に長距離のフライトとなると手荷物として小さめのタイヤ付きキャリーバッグを機内に持ち込むことも多いでしょう。なるべく身近にいろいろなものを置いておきたいし、もし小さな子供がいるのなら、荷物はさらに増えることでしょう。重いキャリーバッグを引っ張ることにより、首から肩にかけての神経・血管が圧迫されて神経及び血管障害が起こることがあります(Thoracic Outlet Syndrome 胸郭出口症候群)。この圧迫により手や腕にしびれが起こります。
 キャリーバッグで他のケガをする可能性もあります。重いキャリーバッグを機内の座席上収納棚に入れる際、肩の筋肉(Rotator cuff 回旋筋腱板)を傷めることがあります。腕を地面と平行に肩の高さまで上げたとき、首から肩にかけてつながる筋肉に力がかかりますが、その手に荷物を持って頭の上まで上げたときその筋肉はさらに圧迫され、ひどければ筋肉が切れてしまうこともあるのです(Rotator Cuff injury)。


 次回は重い荷物が原因で起こるケガの予防策をご紹介します。

 ご質問がありましたら、サイノユナイテッドヘルス日本語ホットライン13818379691まで、またはjuntokumasu@sinounitedhealth.comへメールでどうぞ。



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