海外旅行などで下痢を起こす主な原因に一つに、レストランなど飲食店の衛生状態の問題がある。上海市政府も毎年監督を強めているが、それでも違反している店が後を絶たない深刻な問題でもある。
清潔そうな店、客が多い店を選ぶのはまずは常識だ。夜の露店で食事をするのは、よっぽど慣れた人以外はやめておいた方が無難だ。昼間明るいときに、彼らが使っている食器や食材を見ると、容易に想像がつくぐらい衛生状態に問題がある。市政府も無許可の露店を毎日取り締まっているが、いたちごっこの状態だ。悪質なものでは、賞味期限を越えた食材を使ったりしている飲食店が毎年摘発されている。さらにお皿に関しても、十分に洗っていなかったり、消毒装置がありながら使っていなかったりする。使い捨ての弁当箱に関しても、粗悪材料を使い、発ガン性の疑いが出ている。
簡単な自衛策を紹介しておこう。地元市民も注意している事項だ。
(1)お皿やコップが綺麗に洗われているかチェックする。コップが汚ければ、即交換してもらおう。また最近は少なくなったが、お皿に水が残っている場合もある。そんなときも、自分で拭くか即交換だ。
(2)箸は極力使い捨ての割り箸を使う。洗ってある箸が置いてあっても、割り箸を要求してもよい。自分専用の箸を持ち歩く方法もある。
(3)中国料理によくあることだが、大皿を個人の箸でつつくことはなるべく避けたい。取り皿などを準備してもらうようにする。
(4)生ものはなるべく避けたい。もともと中国では生ものを食べる習慣はあまりなかった。刺身などを口にするようになったのも、90年代になって人々の生活が豊かになってきてからの話だ。また飲食店によっては、まな板の使い分けなどが十分に徹底されていないところもあるので、注意したいところだ。海鮮類は極力生きているものを調理して食べるようにしたい。豆腐は市販されている生食用の豆腐で冷奴にしても問題ない。
(5)油、化学調味料、香辛料、とくに塩などは、なにも言わなければしっかりと使われる場合が多い。健康のためにも、薄味(中国語では「清淡」という)にと前もって頼むのもよい。
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