最近、海外の大学から帰国してきた留学生が中心となって研究レベルの向上が進んでいる。制度上の整備も著しい。かなり前は大学を卒業すれば医師になれたが、いまでは医師国家試験制度も整備されてすでに数年がたち、大きな病院では大学院修了以上の医師が中心になってきた。中国の医科大学は西洋医学も中医学も5年制だが、大学卒業後に病院で1年勤務または研修をしたのちに、医師国家試験を受験する資格が与えられる仕組み。最近では卒業したら修士の学位がもらえる7年制を卒業した医師も増えてきた。医師国家試験に合格後も、医師のキャリアからランクも決められており、卒業したばかりの「住院医師」から「主治医師」「副主任医師」「主任医師」とそれぞれ試験をうけてキャリアアップしていくシステムや、医療現場から離れた医師に対しては医師免許の更新制度など、ある意味では日本よりも厳しいと言える。また日本にはない中国ならではの特色として、中国伝統医学ある「中医学」の医師免許があることだろう。これは、中国の正規の中国伝統医学専門の中医薬大学の学部5年を卒業後、病院での臨床経験を経たうえで医師国家試験を受けるもので、主に中薬、鍼灸、推拿(中国式マッサージ)などを専門とし、西洋医学と対等の医師免許になっている。
上海での比較的高度な医療を受けるために地方からやってくる患者も多い。業績が中国全国的に有名な医師も少なくないため、人気のある科では予約しないと診察してもらえない場合も多々ある。
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