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第1回 手洗いの重要性 ~ノロウィルス胃腸炎~
昔からよく親に食事する前に手をきちんと洗いましょうと皆さんも言われてましたよね。しかしこの冬日本で大流行したノロウイルスはますますきちんとした手洗いの重要性を思い知らされました。なぜならノロウイルスの一番の感染経路は糞-口感染ですので、手洗いをしっかり行うことでかなりの確率で感染を防げたはずでした。
そもそもノロウイルスがここまで大流行になったのは理由があります。普通の食中毒では百万個単位の菌やウイルスが腸管に到達しないと症状が起きないと言われているのに比べ、ノロウイルスは非常に感染力が強く、ドアのノブやトイレの便座についてる10~100個単位のウイルス程度でも、腸管に到達すると激しい下痢や嘔吐の症状を見ることがあるのです。また、それ以外にも腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。特に高齢者や乳幼児では抵抗力が弱く、重症に至ることがよくあります。
日本では今冬で300万人の患者が出たと言われていますが、我々在上海邦人でも対岸の火事ではなくなってきています。現に上海市内はもちろん、中国各地でも検出された症例が多く見られます。では、ご家庭での対策はどうしたらいいかといいますと、まず何よりも外からウィルスを持ち込まないこと。外出から帰ってきたら石けんと流水でしっかり手洗いしましょう。それだけでもかなりの確率で感染を予防できます。万が一、不幸にもノロウイルスと似たような症状の方が見られた場合は、まず家族の方に感染が広がらないよう、なるべく同じトイレは使わないことです。また吐物の処理の際にも手袋を絶対に使用すること。吐物の中にも百万単位のウイルスが検出されています。着衣についた場合はすぐに水につけてから洗濯し、なるべく乾燥機の高温殺菌コースで乾燥させましょう。
小さいお子さんがいらっしゃる家庭ではお子さんが保育園や小学校に通ってる場合、また日本人エリアなど限られた範囲での集団生活をされている場合、また同じバスで通学し、同じ教室で生活する時間が多い場合などでは、ノロウィルスに限らず一人でも何らかのウイルスに感染すると一気に広まる可能性があります。 感染が疑われる場合には、症状のあるお子さんをなるべく早期に隔離させ、水分を沢山取らせて、すぐに病院にかかるようにしましょう。ですが、現実では嘔吐が激しく、とても水分を取れないことが多いようです。その場合は点滴にて補液した方が良いでしょう。とくに小さなお子さんの場合、脱水症状を起すことが多いので早めに受診するように気をつけてください。
なお症状が改善してから一週間後でもウイルスが便から検出されたケースもありますので、他のお子さんに移さないためにもきちんと病院で診察を受け、通学許可をもらってから通常生活に戻るようにしましょう。なお検査には家庭で便を採取してビニール袋に入れて持参すれば、当院の場合は二日後にはウイルスの有無が診断できます。
次回はいよいよ増えつつある毎冬の定番、インフルエンザのお話をする予定です。
2007年1月11日
GHC(グローバルヘルスケア)クリニック
唐堂愉司 内科・小児科医師
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