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第6回 夏かぜ

 かぜの80~90パーセントはウイルスの感染が原因で起こりますが、その風邪ウイルスには数多くの種類があります。

 寒くて乾燥した環境を好むインフルエンザと冬風邪ウイルスが冬に大流行するのに対して、暑くて湿度が高い夏の環境を好む夏風邪ウイルスは夏に大流行します。エンテロウイルスやアデノウイルスはその夏風邪ウィルスの代表です。「エンテロ」とは「腸」の意味で、文字通り発熱やのどの痛みに加え、下痢や腹痛など腸の症状を訴えるのが特徴ですが、一方「アデノ」とは「のど」の意味で、発熱とのどの痛み、激しい咳が出るのが特徴です。

 かぜは健康な人でもかかりますが、とくに体の免疫力が低下しているときに感染します。冬では過度の寒さによる体力低下に加え、空気乾燥がウイルス増殖の格好の環境とあって、風邪に罹るのは周知の事実ですが、夏では暑さやクーラーのかけ過ぎによって疲労や食欲不振、寝不足の状態になることで免疫力が低下し、通常より夏かぜにかかりやすくなりますので注意が必要です。もし夏かぜにかかったらまずは体力を温存させないといけません。クーラーを上手に使い快適な環境をつくる事が大切です。


 もし熱が出た場合、子供は体温調節能力が低いのでむやみに解熱剤は使用しないで下さい。しかし高熱が続くと体力を消耗してしまいますので、大人は38℃子供は38.5度以上が目安で解熱剤を使いましょう。子供の場合は元気で機嫌がよければ解熱剤は使わなくても良い場合もあります。全体の様子を見ましょう。冷やす時は、頭や首のわき、脇の下、太もものつけ根など太い動脈が並行するところを冷やす事が大切です。

 また下痢は、腸内のウイルスを便と一緒に排泄しようとしておきる症状です。下痢止めをのむとウイルスの排泄が遅くなり、夏かぜの回復が遅れることもあります。 ただし、下痢が何日も続くなどの重症な場合は体力の消耗がはげしくなりますので下痢止めを使用します。1日に10回以上の水っぽい下痢、便に血がまじるなどの場合は診察が必要です。病院に受診しない場合、下痢は脱水症状を起こしやすくしますので必ず水分の補給を行ってください。その際には、できるだけスポーツドリンク系の飲み物にしてください。

 蒸暑苦しい上海の夏はお体に十分に気をつけてください。


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2007年7月記
GHC(グローバルヘルスケア)クリニック
唐堂愉司 内科・小児科医師



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